みなさん、こんにちは!
「ダブル・ゴール・リーグ ~サッカー in 多摩~」 の吉武です。
今日も暑かったですね。
梅雨は一体どこへ行ってしまったのでしょう?
本日は、暑さ対策のお話です。
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スポーツを通じた子どもの成長を
考えるためのニュースレター #38
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私、小さいころから梅雨が大っ嫌いでした。
休み時間にドッヂボールやサッカーをして遊べなくなりますから(笑)。
でも、「今年は梅雨は無し!」となると、ちょっと不安になってしまいます。
気候変動と今年の梅雨がどれほど関係しているのかはよくわかりません。
でも、暑さが厳しくなっているのは、疑いようのない事実ですよね。
■ 熱中症のリスク、どう見極める?
さて、運動するには 何度までが安全 なのでしょうか?
実は、単なる気温ではなく、暑さ指数(WBGT)という指標を使うのが良いとされています。
これは、温度だけでなく「湿度・日差し・風通し」などを加味した、より実用的な暑さのものさし。
同じ30℃でも、湿度や風の有無で危険度は大きく変わるというわけです。
では、危険な温度はどれくらいなのでしょうか?
日本スポーツ協会(JSPO)では、熱中症の予防について、下表のような指針を出しています。

▲JSPOウェブサイトより
また、JFA他の競技団体も指針を出していますので、そちらも確認するのが良いでしょう。
これらの基準をもとに、当リーグでは以下のようなルールを設けています。
- WBGT31以上 → 試合やプログラムは中止・延期
- WBGT28以上 → 冷房付き休憩所、塩分水分補給、冷却剤の準備
- WBGT25以上 → クーリングブレイク3分へ延長、近隣の救急病院を確認
■ WBGTはどう調べるの?
WBGTを知る方法は2つあります。
1) 環境省のサイトで確認
地域を登録すると、アラートもメールで届きます。
▼こちらで確認できます!
2) 市販の測定器を使う
数千円で購入可能。
屋外の実測値がわかるので便利!

■ データで見る”今どきの夏”
環境省のデータによると、東京(東京駅周辺)では2024年7月のうち、22日間でWBGTが31を超えていました。
ちなみに、2010年は2日、2011年はゼロ、2012年は4日だけ。
しかも当時は1時間程度の短時間だけでした。
この10~15年で、夏の気候はまったく別物になってしまったことがわかります。
今や、空調のない屋外で運動するのは危険という認識が必要です。
JSPOやJFAのガイドラインに法的拘束力はありませんが、現場で子どもたちの安全を守る責任がある以上、「基準がないから大丈夫」という姿勢は通用しません。
■「夏は休む」という選択肢も
試合や練習を「気合で乗り切る」という時代ではありません。
気候が変わっただけでなく、スポーツに対しても科学的なアプローチが求められるようになったからです。
この暑さを“異常”ではなく“前提”としてとらえ、チームでルールを定めて明文化・周知することが、子どもたちの健康を守るだけでなく、保護者や指導者のリスクマネジメントにもつながります。
個人的には、夏は思い切って“オフ”にするという選択肢があっても良いのでは、と考えています。
実際にヨーロッパやアメリカでは、涼しい地域でも、夏には1ヶ月以上のオフがあります。
これは、暑さ対策だけでなく、オーバーユースやバーンアウト*を防ぐ効果があると考えられているためです。
このような観点からも、子どもたちのより良いスポーツ環境を考えてみたいですね。
*オーバーユース:同一の競技や動作を繰り返すことで発生する身体的な故障
*バーンアウト:打ち込んできたことに対し突然やる気を失う症状。頑張りすぎてその競技が嫌いになる現象はよく見られる。燃え尽き症候群とも。